医師が答える葉酸に関するQ&A

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医師が答える葉酸に関するQ&A当サイトの読者様から寄せられた葉酸に関する疑問に現役医師が回答した結果を掲載しています。

 

妊娠時の葉酸に関することだけでなく、葉酸の男性への作用やサプリメントの疑問等についてもお答えしております。

 

葉酸に関する疑問がありましたら、こちらのお問合せより質問内容を明記してご投稿ください。
※医師が回答しこのページへ掲載させて頂きます。

 

 

 

なぜ妊娠すると葉酸だけが必要なのですか?

特に、妊娠0週目~7週目にかけては『細胞分裂期』と言われており、母体のDNAから分裂・増殖した細胞が赤ちゃんの脳や脊髄、内臓などを作るための細胞分裂が活発に行われるため、妊婦さんは通常の約2倍近くの葉酸が消費されると言われています。

 

葉酸の大切さを産婦人科の医師が教えるイラスト

 

その細胞分裂や増殖に、葉酸が重要な働きをしていることから、妊娠時には葉酸が母体から欠乏しないように葉酸サプリを摂取するように推奨されています。

妊娠初期や妊娠中に葉酸が不足するとどうなるの?

葉酸は先天性異常の「神経管閉鎖障害」や、「口唇裂」のリスクを低減する重要な役割を果たします。

 

妊娠の最初期に「神経管」と呼ばれる器官が形成されます。神経管は後々に脳や脊髄といった中枢神経系の器官になるものです。しかしその神経管になんらかの異常が発生することにより、脳や脊髄が正常に発育できなくなる「神経管閉鎖障害」という先天性の疾患が存在します。

 

神経管閉鎖障害は、無脳症や二分脊椎など、胎児の奇形や身体の麻痺につながり、最悪の場合は流産や死産になってしまう疾患です。神経管閉鎖障害は、妊娠前から妊娠最初期に葉酸を十分に摂取することで予防ができると言われており、遺伝的な要因もあるため100%の予防が可能なわけではありませんが、そのリスクを約70%低減できると言われています。

 

また、神経管閉鎖障害ほど深刻な先天性異常ではありませんが、「口唇裂」「口蓋裂」を葉酸不足が引き起こす可能性もあります。口唇裂は唇が割けてしまう状態、口蓋裂は口の中の口蓋が割け、口腔内と鼻腔がつながってしまう状態です。

 

この二つは合併して現れることが多い先天性異常です。およそ500人に1人の割合で口蓋裂、口唇裂は現れます。遺伝的な要因もあるため100%の予防は難しいですが、葉酸を十分に摂取することにより発症する可能性を低下させることができます。

 

二分脊椎とは?

赤ちゃん(胎生期)の脊髄を覆っている骨が欠損、または開いた状態のことをさします。

 

普段、骨で覆われて守られているはずの脳神経に繋がる『脊髄を含む神経組織』が露出してしまい、炎症を起こしてくっついたり(癒着)、損傷により運動障害や膀胱機能などの障害を起こします。

無脳症とは?

赤ちゃんの脳が欠損または、形成されない状態のことをさします。

 

赤ちゃんの身体は通常の状態で存在しますが、おでこの上からの頭部がなく、無事に生まれてきたとしても短い生命で終わること可能性が高いと言われています。

 

『無脳症』は、現在は出生前の診断で発見することができますが、早期発見できたからとはいえ、現段階では治療法もない為、その場合はやむを得ず人工中絶が行われることが殆どです。

 

胎児の『二分脊椎』や『無脳症』などの神経管閉鎖障害は、妊娠前から妊娠初期にかけて葉酸サプリメントを毎日400μg服用することで、発症リスクを7割~8割低減できるとされており、妊娠を計画した時から、葉酸サプリを服用することを産婦人科や厚生労働省が推進しています。

食事から葉酸を摂取すればいいんじゃないの?

葉酸には大きく分けて食品由来の『ポリグルタミン酸型の葉酸』と、サプリメントなどの『モノグルタミン酸型』の葉酸』の2種類が存在します。

 

胎児の神経管閉鎖障害のリスク低減の為には、葉酸サプリに含まれる『(プテロイル)モノグルタミン酸型』の葉酸の摂取が推奨されています。

 

妊娠前や妊娠時に、葉酸を食品ではなく、サプリメントから摂取するように推奨されているのは2つの理由があります。

 

モノグルタミン酸型葉酸によるリスク低減が立証されている

赤ちゃんの神経管閉鎖障害のリスク低減をする働きは、葉酸サプリメントから摂取できる『モノグルタミン酸型』の葉酸による研究結果が報告されている為、食品ではなく葉酸サプリなどの栄養補助食品からの摂取が推奨されています。

 

食品由来の葉酸は生体利用率が低い

栄養素は天然のもののほうが体によいイメージがありますが、葉酸は別です。葉酸には「ポリグルタミン酸」と「プテロイルモノグルタミン酸」があります。

 

野菜をはじめとする食品の中に含有される葉酸は主にポリグルタミン酸です。ポリグルタミン酸型の葉酸は加熱や胃酸により活性を失ってしまいやすいため、生体内での利用率がおよそ50%と低い数値になっています。

 

一方でサプリメントに利用されるプテロイルモノグルタミン酸は80%を超える利用率となっています。厚生労働省が発表している日本人の食品摂取基準2015では葉酸の摂取推奨量の目安は上述した通りですが、最も推奨されるのがプテロイルモノグルタミン酸で400μg摂取することです。

葉酸サプリはいつごろから飲み始めれば良いのでしょうか?

妊娠1ヶ月以上前から飲むことが重要ですので、妊娠を希望している女性は飲み始めておくといいでしょう。

なるべく食材から葉酸を摂取したいのですが、サプリ以外でおすすめの食材や摂取方法はございませんか?

ホウレンソウやアスパラ、モロヘイヤなど野菜のほか、枝豆や大豆などの豆、海苔やわかめなどの海藻、牛・豚・鶏のレバーや、ホタテ、生ウニ、牡蠣などにも豊富に含まれています。

葉酸サプリは食事性由来のものと合成由来のものがありますが、妊娠時はどちらがよいのでしょうか?

妊娠中は食事性由来のものがいいでしょう。

妊娠中に葉酸以外に意識して摂取する栄養素はありますか?

たんぱく質、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンC、カルシウム、鉄など妊娠中は必要量が増えます。

葉酸は出産後も意識して摂取するようにしたほうが良いのでしょうか?

食事からでは充分に摂取できない事が多いので、意識して摂るようにしましょう。

妊娠初期に葉酸を飲んでませんでした。今から飲んでも遅くないですか?

妊娠中は必要量が増えますので、妊娠初期に飲んでいなくても気付いた時から飲みましょう。

妊娠時に摂取してはいけない栄養素はありますか?

魚介類は、良質なたんぱく質や、生活習慣病の予防や脳 の発育等に作用か?あるといわれており、優れた栄養特性を有していますが、妊娠中は魚介類を通じた水銀の摂取が胎児に影響を与える可能性があると報告されていますので、水銀濃度が高い魚介類を偏って多量に食べることは避けましょう。

妊活中ですが、なかなか妊娠することができません。夫婦で意識することはありますか?

妊娠前からバランスのよい食事と適正な体重を目指しましょう。また夫婦で禁煙することも大切です。

出来るだけ葉酸の栄養素を食物から摂取したいと思っていますが、足りない分を葉酸サプリから補いたいと望んでいます。もしも一日に食物やサプリから大量の葉酸を摂取してしまい、推奨される量を遥かにこえてしまったら体にはどのような影響が出ますか?

葉酸は水溶性のビタミンですが基本的に過剰症の心配はありません。しかしサプリメントで大量に摂取すると身体に悪影響が現れる可能性があります。葉酸の成人女性の1日の摂取基準は240μg、妊娠中の女性の1日の摂取基準はその倍の480μgです。サプリメントや葉酸強化食品に添加されているプテロイルモノグルタミン酸(葉酸のこと)は1日に1000μgを超えて摂取すると発熱やかゆみ、じんましんを発症させる可能性があります。葉酸を摂取する際はサプリメントに含まれている含有量を確認して1000μgを超えないように気を付けましょう。

葉酸サプリは色々なメーカーから販売されていて種類もとても豊富で、どれにしたら良いのが悩んでしまいます。葉酸サプリを選ぶ際に何を重視して選んだら良いのでしょうか?

葉酸サプリメントを選ぶ際に大切なポイントは、放射性物質の残存検査が行われていることや化学合成添加物が使われていないか、そのほかの原料をしっかりと公開しているかが挙げられます。

葉酸サプリの成分は食物から摂取する葉酸の成分と違いはないのでしょうか?

野菜やレバーなどに含まれている天然の葉酸は「プテロイルポリグルタミン酸」、合成された葉酸は「プテロイルモノグルタミン酸」という構造の違いがあります。生体内での吸収率が異なっており天然のものは50%ほど、合成されたものは85%ほどの吸収率となっています。合成といっても石油などから合成されたものではなく、酵母を増殖させ抽出する方式なので安全性はしっかりと確立されています。

葉酸の栄養が最も取れる食材は何ですか?また、どんな食べ方が良いのでしょうか?

葉酸は鳥レバーや牛レバー、豚レバー、うなぎといった動物性食品と、枝豆、モロヘイヤ、パセリ、ホウレンソウ、菜の花といった緑黄色野菜に多く含まれています。しかしレバーやうなぎに多く含まれるビタミンAの過剰摂取は胎児の奇形や流産のリスクを高めてしまうため、緑黄色野菜から葉酸を摂取するとよいでしょう。
葉酸を摂取するときは体内でタンパク質の合成や赤血球の合成に同時に必要になるビタミンB12を多く含む食品と一緒に摂取するとよいでしょう。ビタミンB12は貝類や魚卵、チーズ、卵などに豊富に含まれています。

つわりなどで固形のものを受け付けないときは、どういう形で葉酸を摂取するのがよいでしょうか。葉酸だけでなく色々な栄養素が入ったサプリもありますが、葉酸のみのサプリを飲めばいいのでしょうか。

葉酸と同時に働く栄養素としては以下のようなものがあります。つわりで食事からの栄養が摂れない場合は、これらの栄養素が含まれている葉酸サプリを選ぶとよいでしょう。

 

・ビタミンB12
ビタミンB12は体内で葉酸と一緒に赤血球を合成したりタンパク質や核酸を合成したりする働きがあります。

 

・鉄
葉酸は赤血球を合成しますが、鉄は赤血球に含まれるヘモグロビンの材料になります。胎児に十分に酸素を供給する働きがあります。

 

・亜鉛
亜鉛はDNA、RNAといった核酸の合成時に必要な栄養素です。胎児の活発な細胞分裂に必要な栄養素です。

よく薬を飲み忘れたりするんですが、もしも、朝のうちに葉酸サプリを服用したのに、飲み忘れたと思って同じ日にまた服用してしまった場合、体に悪影響はありますか?

たまに飲み忘れたと思って1日に2回飲んでしまう程度ならば問題ないですが、続くようならば1日に飲む分をピルケースにいれるなどの対策をしましょう。
葉酸は水溶性のビタミンなので過剰に摂取した分は基本的に尿として排出されます。しかしサプリメントに含まれる合成タイプの葉酸を1日に1000μg以上摂取すると身体に悪影響が現れる可能性があるので過剰に摂取することは避けるようにしましょう。

医師が進める葉酸の有効な摂取方法を知りたいです。

葉酸は水溶性のビタミンであるため1回で1日の必要量を摂取してしまうと過剰分が体外に排出されてしまいます。なるべく朝、昼、晩などタイミングをずらして摂取するのがおすすめです。またほとんどの栄養素は単独で働くのではなく、共同し合い働きます。同時にビタミンB12や鉄、亜鉛といった栄養素も摂取するとなお作用が高まるでしょう。

妊婦には葉酸はいいと聞きましたが、男性にはどのようなメリットがあるのでしょうか?

葉酸は細胞分裂にも関わるため健全な発育に必要になります。またトレーニングで筋量を増やす際にも必要になる栄養素です。そのほか、貧血を改善したり動脈硬化を予防したりする作用が期待できます。
これらの働きは男女共通のものですが、男性にとっても必須ビタミンであることは変わりないため、きちんと摂取するようにしましょう。

葉酸はダイエットの補助になりますか?またあるとしたらどんな作用がありますか?

残念ながら葉酸には高濃度茶カテキンやカプサイシンのような作用が明確なダイエット作用はありません。以下のような場合はダイエット作用があると言えないくもないでしょう。

 

・貧血改善
葉酸はビタミンB12や鉄とともに貧血を改善させる作用があります。貧血がつらくてあまり動けない場合、葉酸を摂取することで貧血が改善され活動量が増えた分、ダイエット作用が現れることもあります。

 

・筋量の向上
腕立て伏せやスクワットなどの筋力トレーニングを行うことで筋量が増加します。筋量が増加すると基礎代謝が向上し、1日に消費するエネルギーが多くなるためダイエット作用が期待できます。葉酸は細胞分裂に関わるため、筋肉量を増やす際に必要になる栄養素です。

本当にサプリでの摂取でいいのでしょうか?葉酸サプリの摂りすぎで、逆に悪影響になることはありますか?

葉酸の成人女性の1日の必要量は240μg、妊婦は480μgです。特に妊婦さんは必要量を満たすために葉酸サプリメントからの摂取は必要です。
ただ、サプリに含まれるプテロイルモノグルタミン酸を1日に1000μg以上摂取すると身体に悪影響が現れる場合があります。現在のところ、そこまで重い過剰症は報告されていませんがなるべくさこの耐用上限量を超えないように気を付けましょう。サプリメントは「用量・用法をしっかり守って」服用しましょう。

第一子の出産を機に妊娠高血圧が慢性化してしまいました。
今は朝晩1錠ずつ、母乳に影響の少ない降圧剤を飲んでいるのですが、降圧剤と葉酸サプリを同時に摂取しても問題はないのでしょうか?
また、まだ母乳を与えている状態での葉酸サプリの摂取は赤ちゃんに影響ないでしょうか?

問題ありません。反対に降圧剤が葉酸の腸管での吸収率を下げてしまうため、より多めの摂取が必要になる場合もあります。1日の耐用上限量を超えない範囲での摂取は問題ないでしょう。
また成人女性の1日の葉酸の摂取基準は240μgですが、授乳婦は340μgを推奨されています。授乳期の乳児も細胞分裂が活発で葉酸が必要になるため、問題ありません。

他のサプリメントと一緒に飲んでも問題ないのでしょうか?同時に飲んではいけないサプリメントなどを知っておきたいです。

葉酸と併用で問題が発生するサプリメントや栄養素は現在のところ報告がありません。

サプリには添加物が含まれていると聞きましたが、安全性はどうでしょうか?

添加物の種類にもよります。それこそ酵母から抽出される葉酸は添加物ですが安全性は確立されています。反対に化学合成の保存料や○色○号などの表記のある着色料、人工甘味料などは安全性の基準について議論が続いています。もしサプリメントに不安な添加物が含まれているようならば事前にメーカーに問い合わせるとよいでしょう。

出産後授乳中にも飲み続けるとよいと聞きましたが、もともと母体にない栄養が赤ちゃんに行ってしまうことで悪影響はないのでしょうか?

葉酸はもともと母体に存在する栄養素です。赤ちゃんの細胞分裂による健全な発育のために必要な栄養素なので悪影響はありません。

妊娠中の葉酸は必要ないと知り合いに言われましたが本当に飲まなくてもよいのでしょうか?

妊娠中の葉酸は通常時より必要になります。成人女性の1日の葉酸の摂取量の基準は240μgですが、妊娠時は480μg、授乳時は340μgが推奨されます。反対に妊娠時、特に妊娠初期に葉酸の摂取量が足りないと胎児が「神経管閉鎖障害」という先天性異常を発現する可能性が高まります。
妊娠中と言わず、妊娠を考えている時期から葉酸を十分に摂取することが胎児の先天性異常の予防のために重要です。

 

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